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2008年3月14日 (金曜日)

【映画評】グミ・チョコレート・パイン

好きだった女の子の自殺に翻弄される大槻ケンヂ原作の地味に笑えるサブカル青春映画。

【満足度:★★★★】(鑑賞日:2008/01/12)

 会社をリストラされた大橋賢三(大森南朋)はしばらく帰っていなかった実家に戻った。そこで彼は自分宛に届いていた手紙の束の中から懐かしい名前を見つける。高校時代に好きだった山口美甘子(黒川芽衣)からだ。その手紙にはたった一行、「あなたのせいなのだから」と書かれていた。
 憤りを隠せない賢三は旧友のカワボン(マギー)と連絡を取るが、再会した彼から聞かされたのは予想だにしない事実だった。山口美甘子は死んだ、しかも自殺でと…。

 その後映画は高校時代の彼らと現代とを交互に描いていく。
 ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督、原作は大槻ケンヂ。

 ゆるい笑いをちりばめた“うずき”の青春映画だ。ぐさぐさ刺さってくるわけじゃないんだけれど、昔の傷口がうずくような、そんな痛み。

 主人公たちが自分と同い年なんですよ。現在と1986年を行き来する構成なんだけど、高校時代、現在、どちらもで“思い当たる節”ってやつを刺激される。
 まったく同じ時代設定、年齢設定、現在と過去を交互に描くのも一緒の『世界の中心で、愛をさけぶ』はまるでなじまなかった自分だけど、これには来るものがあった。
 物語的にはセカチューより、ちょっと古い映画だけどマーク・ハーモン、ジョディ・フォスター主演の『君がいた夏』(1988年、スティーヴン・カンプマン、ウィル・アルディス監督)を思い出させる。

 ヒロイン・美甘子を演じた黒川芽衣が、やけに健康的なぽっちゃり顔で、どのクラスにもいそうなレベルのかわいい子なのがリアリティがあっていい。実際高校時代に好きだった子のことを思い浮かべながら観ていた。
 男の子たちも、その現代を演じた男優たちも、皆いい意味で普通に冴えない雰囲気で、現実に冴えない自分のうずきを助長する。

 派手なお涙頂戴話ではないけれど、まさに同時代を生きた自分はなんとなく涙腺が刺激されてしまう、そんな忘れがたい佳作。

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【キャスト】石田卓也/黒川芽衣/柄本佑/金井勇太/森岡龍/大森南朋/甲本雅裕/マギー/高橋ひとみ/山崎一/犬山イヌコ/山西惇/浅野和之/峰村リエ/中越典子/みのすけ/竹中直人/山本剛志/田中哲司/林和義/鈴木慶一/内田春菊/ピエール瀧/峯田和伸/森下能幸/長田奈麻/住田隆/松永玲子/村上大樹/村岡希美/政岡泰志/緋田康人/福田暢秀/小村裕次郎/野中隆光/植木夏十/林田麻里/水野顕子/村瀬香奈/松田まどか/富川一人/小林きな子/坂本真/島田曜蔵/粕谷吉洋/コスプレ声ちゃん
【監督/脚本】ケラリーノ・サンドロヴィッチ 【製作総指揮】谷口則之 【エグゼクティブ・プロデューサー】小木曽仁/伊藤泰造 【プロデューサー】岩下英雅/李住勲/杉山剛 【企画】吉村知範 【撮影】小澤公則 【照明】大賀章雄 【録音】中村雅光 【美術】長谷川晃子 【装飾】尾関龍生 【音楽】ゲイリー芦屋 【編集】斉藤和彦 【VE】角本輝夫 【助監督】窪田祐介 【制作担当】大沢忠生 【原作】大槻ケンヂ『グミ・チョコレート・パイン』 【テーマ曲】『少年ヤング』 [作詞]石野卓球/ピエール瀧 [作曲]石野卓球 [歌]電気グルーヴ
【製作】「グミ・チョコレート・パイン」製作委員会(CCRE/新村牧子/内田昭彦/パラレル/ソニー・ミュージックエンタテイメント) 【配給】東京テアトル 【宣伝】メディアボックス
【公開年】2007年 【製作年】2007年 【製作国】日本 【上映時間】2時間7分
【公式サイト】http://www.gumichoco.com/

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