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2007年11月13日 (火曜日)

【映画評】LOFT ロフト

ミイラを巡るどこか可笑しいラブロマンスホラー。

【満足度:★★★☆】(鑑賞日:2006/09/10)

 全編にみなぎる緊張感は黒沢清監督のそれ。
 しかし、今回壊されるのは人格でも世界観でもなく、黒沢ホラーそのもの。
 ミイラという素材といい、つきまとう幽霊といい、「♪ヒュードロドロ」というBGMといい、これは典型的な怪談話なんだと気づくと、これまで得体の知れない恐怖を突き詰めてきた黒沢監督の意図が見えてきた。

 この映画、ホラーテイストに満ちてはいるが、結構笑えるシーンが意図的に仕組まれている。観る側の先入観からすれば、安達祐実が幽霊を演じているだけで妙な可笑しさがある。それすら狙いのキャスティングなのか。
 映画が進むにつれ、この映画の持つ可笑しさは加速度的に増す。壊されていくホラー映画としての面目、黒沢ホラーに対する期待。
 中谷美紀演じる芥川賞作家・春名礼子は言う。「あなたが1000年間守ってきた物を私は捨てた」と。それはプライド。
 豊川悦司演じる大学教授の苦悩が、解き放とうにも解き放てない呪いと闘う“Jホラーの旗手”黒沢監督の姿とだぶる。

 一見難解な作品だが、その実、黒沢監督が挑む典型的な怪談話。と同時に、先入観をぶち壊す野心作として記憶に残る怪作。

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【キャスト】中谷美紀/豊川悦司/西島秀俊/安達祐実/鈴木砂羽/加藤晴彦/大杉漣
【監督/脚本】黒沢清

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» LOFT ロフト 07044 [猫姫じゃ]
LOFT ロフト 2006年   黒沢清 監督中谷美紀 豊川悦司 西島秀俊 安達祐実 鈴木砂羽 加藤晴彦 大杉漣 ??? ただのサイコホラーなのね、、、 いぁしかし、なんでドロ吐くの?? http://tonomi.cocolog-nifty.com/cinema/2007/11/loft_9f3b.html... [続きを読む]

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