【映画評】いま、会いにゆきます
梅雨の季節の6週間だけ死別した最愛の妻が生き返ってくる奇跡のラブ・ファンタジー。
【満足度:★★★★☆】(鑑賞日:2004年12月3日)
一年前に最愛の妻・澪(竹内結子)に先立たれた秋穂巧(中村獅童)は、ひとり息子・佑司(武井証)と共に暮らしている。澪は二人に「雨の季節に帰ってくる」と言い残して亡くなっていた…。
そして約束の雨の季節、二人の前に澪が現れる。澪は記憶を失っていたが、喜ぶ巧たちは周囲には秘密にして、戸惑う澪との共同生活を始めるのだった…。
こんな和製ファンタジー映画が観たかったと言える傑作。
この映画には傑作ホラー『シックス・センス』に代表されるような、あっと驚く仕掛けが有るのだが、それと同じくその仕掛けを知っていても感動できる秀逸なラブストーリーに仕上がっていて何度観ても号泣してしまう。
記憶を失っている澪に、巧が二人のなりそめを順を追って聞かせるという前半のプロットからして巧い。
観客に二人の恋愛関係を追体験させつつ、澪は自分の立場を知る。さらにその過去とは関係なく、澪と巧が二度目の恋に落ちるという展開がそのままテーマに直結するのだから恐れ入った。
片想いから始まる若者の恋愛、夫婦愛、そして親子愛まで均等に描き切るエピソードの積み重ねによって、この映画が単なる恋愛映画としてではなく、世代を越えて観る人なりの感動を与えてくれてくれる愛の物語としての懐の深さを見せる。
そして物語は予想通り、澪との二度目の別れとなるのだが、ここからが予想に反し、映画はまだ折り返しでしかない。
最後に用意された本当のクライマックスが、この物語を別れの悲劇ではなく、出会ったことの喜びの物語に完結させていて、拍手喝采の大団円。
役者陣の演技も飛び抜けて素晴らしい。
近年『黄泉がえり』、『天国の本屋~恋火』と、何度も死人の役を演じた竹内結子が、水を得た魚のようにこの役を完全に自分のものとしていて、これぞ集大成。可愛らしい愛妻ぶりを演じた本作は、間違いなく彼女の代表作となるだろう。
中村獅童も記憶に残る名演技。佑司を演じた武井証くんも申し分がない。
この三人の卓越した演技は、恵まれたストーリーを抜きにしても目に焼きつく。
ORANGE RANGEの唄う主題歌『花』も、取ってつけた感がまったくなく、見事に映画にマッチしている。
おまけに、その曲の流れるエンディングで劇中の絵本を見せて、最後の最後まで作品世界にどっぷりと漬からせてくれた。
これ以上は控えるが、幸福感で泣ける日本映画として近年稀にみる逸品。またラブストーリーとしても、これを観ていると素敵な恋愛をしたくなる。
ひとり者は恋人ができたとき、恋人同士は結婚したときに、新婚さんは子供が生まれた折りに、年配者は子供の成長に合わせて、そして余生を楽しむ老人になってでも、その時々に観直せば新たな感動を与えてくれるはず。
一生ものの映画なんてそうそうない。
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【キャスト】竹内結子/中村獅童/武井証/浅利陽介/平岡祐太/大塚ちひろ/中村嘉葎雄/市川実日子/YOU/松尾スズキ/小日向文世
【監督】土井裕泰
【製作】近藤邦勝
【製作総指揮】島谷能成/斎藤薫/安永義郎/亀井修/細野義明/伊東雄三
【企画】濱名一哉
【企画協力】那須田淳
【エグゼクティブ・プロデューサー】本間英行
【プロデューサー】市川南/春名慶/堀口慎
【アソシエイト・プロデューサー】山田健一
【原作】市川拓司『いま、会いにゆきます』
【脚本】岡田恵和
【撮影】柴主高秀
【美術】種田陽平
【録音】鶴巻仁
【照明】上田なりゆき
【編集】三條知生
【キャスティング】田中忠雄
【助監督】猪腰弘之
【製作担当者】武石宏登
【音楽】松谷卓
【主題歌】『花』ORANGE RANGE
[作詞/作曲]ORANGE RANGE
「いま、会いにゆきます」製作委員会(TBS/東宝/博報堂DYメディアパートナーズ/小学館/S・D・P/MBS)
【製作】東宝映画
【配給】東宝
【公開年】2004年
【製作年】2004年
【製作国】日本
【上映時間】1時間58分
【公式サイト】http://www.ima-ai.com/
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すばらしいです。特にそれぞれの立場での回想シーン。全く同じシーンなのに意味合いが [続きを読む]
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単なる「喪失の物語」ではなく、
澪が、愛する巧のために、佑司のために、
自ら未来を選び取ろうと決意する。
そこに、心を打たれるのでしょうね。
早くDVD出ないか... [続きを読む]
受信: 2005年1月20日 (木曜日) 12:31
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いまさらかもしれませんが・・・
「いま、会いにゆきます」
見ました。
何?何?オカルト!?
などと思ったところもありつつ。。。
○を覚悟したうえでの超純愛。
そして二人はものすごく純粋。
最後のほうには「そーきたかー!!」もあり。
泣けました。
竹内... [続きを読む]
受信: 2005年9月19日 (月曜日) 23:38
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ママはいない、パパはガソリンの回りが悪い、それでも明るく気丈な佑司(武井証)に、最初からウルウルきそうだった。
物語は、事故の拍子に9年後の自分にタイムスリップした二十歳の澪(竹内結子)が、一度は別れた巧(中村獅童)と結婚し祐司という子供がいることを知るが、... [続きを読む]
受信: 2005年10月17日 (月曜日) 13:12

コメント
トラックバックありがとうございます。
ほんとうにいい映画って、年に1、2本あったらいい方で。だからこういう映画に出会うと幸せな気分になります。ああ、映画ファンでよかったなと。
昨日、原作本を買ってきました^^
投稿 Lecter | 2005年1月 8日 (土曜日) 21:32
>Lecterさん
ほんと良かったですよね!
今年もこんな素敵な映画に出会いたいです。
投稿 かみぃ | 2005年1月 8日 (土曜日) 23:28
ブログで、この映画・原作について紹介されているのを見て、速攻!観にいってきました。感動!というか、共感!というか、mmm表現が難しい。私も、夫を事故で7年前に亡くしたけど、彼が置いていったものは、やはり「愛」だけでした。佑司くんが「あいたい」というその一言は、何年経っても消えることはなく、薄れることもなく、あの日と同じ「もう一度、会いたい」なのです。
これ以上は、言葉にならない。
投稿 KK | 2005年1月 9日 (日曜日) 22:31
>KKさん
御主人が残された「愛」を、実感されているんですね。KKさんの言葉には、なにかを乗り越えられた強さと、変わらない痛みを感じます。
さぞ素敵な御主人だったんでしょう。
語弊を恐れずに言えば、この映画と同じ幸福感がにじみ出ており、うらやましくもあります。僕も早くそんな相手に出会いたいものです。
実感のこもった素敵なコメントありがとうございました。
投稿 かみぃ | 2005年1月11日 (火曜日) 02:17