【映画評】メトロポリス
手塚治虫の初期作品を映画化した未来都市SFアニメーション作品。
いきなりだが、「手塚治虫って、こんなにつまんなかったっけ?」と思ってしまうほど、かったるい。とにかく手塚治虫らしさを詰め込もうとしたのが裏目と出たのか、散漫さがつきまとう。
ストーリー重視ではなく、未来都市“メトロポリス”の世界観を見せようとしているのはわかるのだが、それにしても展開の焦点が定まらない。テンポも悪くて、2時間弱の上映時間がえらく長く感じた。
クライマックスは一気に捲くし立てるが、それまでが積み上げが甘いから、唐突な印象を拭えない。
テーマにしても、原作が発表された時代背景にある科学万能思想を考えれば、さすが手塚治虫先生の先見の明と褒められなくもないが、現代のクリエイターたちが原作の秀悦な世界観を借りてオリジナルのストーリーを再構築するのであれば、21世紀を迎えた“今”の答えがあってもよさそうな気もする。が、そこまでは踏み込めていないから、ありきたりの印象しか受けない。
唯一の救いは、今だからこそできたCGアニメーションの絢爛豪華な煌めきだろうか。それはそれで一見の価値はある力作なのだが、ただそれだけに着目するのであれば、別に手塚作品である必要はない。
それどころか、多くの手塚治虫のアニメーション作品を観て育った筆者からすると、逆にそのCGらしさに違和感を感じてしまうのもまた事実なのである。
手塚治虫が今の時代に生きていたとして、こんな作品にしただろうかという疑問だけが残る。
【キャスト(声の出演)】井元由香/小林桂/岡田浩暉/石田太郎/富田耕生/若本規夫/滝口順平/青野武/池田勝/八代駿/古川登志夫/千葉繁/江原正士/土師孝也/井上倫宏/愛河里花子/麻生智久/天田真人/佐々木健/渋谷茂/志村知幸/杉田智和/鈴村健一/園部啓一/千葉進歩/肥後誠
【友情出演】小山茉美/皆口裕子/松本梨香
【特別出演】隆大介/やなせたかし/永井豪/林ゆたか/本多俊之/岡田こずえ/DJ TARO/福ノ上達也/鮎貝健/鈴木裕介
【監督】りんたろう
【企画】りんたろう/丸山正雄/渡邉繁
【製作】角田良平/宗方謙/平沼久典/塩原徹/阿部忠道/長瀬文男/松谷孝柾/寺島昭彦
【アニメーション制作】マッドハウス
【プロデューサー】丸山正雄/八巻磐
【原作】手塚治虫
【脚本】大友克洋
【キャラクター・デザイン/総作画監督】名倉靖博
【美術監督/CGアートディレクター】平田秀一
【CGテクニカル・ディレクター】前田庸生
【助監督/コンポジット・ディレクター】楠美直子
【作画監督】赤堀重雄/桜井邦彦/藤田しげる
【作画監督補佐】辻繁人/平田敏夫
【キャラクター・メカニック】反田誠二
【音楽プロデューサー】岡田こずえ(AMO)
【音楽】本多俊之
【主題歌】『THERE'LL NEVER BE GOOD-BYE』~THE THEME OF METROPOLIS~
[作詞]Minako"mooki"Obata
[作曲]本多俊之
[歌]Minako"mooki"Obata
【挿入歌】木村充揮/レイ・チャールズ
【配給】東宝
【製作年】2001年
【製作国】日本
【上映時間】1時間47分
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